water hall






脱衣・浴室は1階中央東側に位置し、一間半を半分に割って脱衣室と浴室が割り振られ東面に小さな開口部をもつ窮屈で暗い場所だった。東側隣地は父親が営む平屋の工場が建つので、浴室は低層の建物に隣接し、それが変化することは無い。
脱衣室が接する中廊下は建物南北端に分かれているキッチンとリビングをつないでいるため一日の中で往来が多くなるが、自然光が入らないため昼間でも暗く陰湿な雰囲気だったので、
浴室の改修が設備更新にとどまらず、計画の範囲を超えてこの家での生活に良い影響を与えることを考え始めた。
脱衣室と浴室の間仕切りを撤去し、上層階から見下ろされる心配がないため、脱衣浴室の天井を抜き屋根に穴をあけることで脱衣浴室を屋外のように明るい開放的なワンルーム空間とした。
壁天井はつやありの白塗装とし、浴室の自然光を中廊下へと最大限反射させている。
新しくなった脱衣浴室はこの家の中でもひときわ明るい場所になっている。
浴室は、入浴という機能を超えて、観葉植物を日向ぼっこさせたり、読書をしたり、ときにはお風呂に入りながら食事をとったりと、小さな生活の場として使われ始めている。
ほんの小さな部分改修だが、生活の流れに変化が生じている。